事例紹介

LEGO®SERIOUS PLAY®を活用したチームビルディング 株式会社Bodytune-Partners様 

大の大人がブロック遊び?

ある日の午後、株式会社Bodytune-Partners(ボディチューン・パートナーズ)の会議室では、社長と数名の社員が一つのテーブルを囲み、思い思いにカラフルなレゴブロックを組み立てている。お題は「私の仕事とは?」。自分の仕事がどういうものかを、レゴブロックを用いて表現しているのだ。

ある社員は、ブロックでいくつかの島を作り、それらを棒状のパーツでつなげた。

「この島は私が今やらなきゃいけない業務で、この島は〇〇さん、この島は△△さん。これらをつなげる橋となることが、私の役割だと思うんです。こっちの離れたところにあるのはお客さまで、最終的にはお客さまにどう届けるかが大事だと思うのですが……」

自分の作った“作品”について、一生懸命に他のメンバーに説明する社員。それを聞くメンバーの表情も真剣だ――。

 

これは「レゴ®リアスプレイ®(LSP)」というプログラムの一場面。レゴ社の教育プログラムの開発責任者だったロバート・ラスムセン氏が、2000年代初めに開発したものである。日本ではまだメジャーとは言えないが、NASA(米国航空宇宙局)がチームビルディングで取り入れたことで話題となった。

 

レゴ®シリアスプレイ®をする意味

ビジネス上の問題解決を図る際には、通常、論理的な議論が優先される。


一方、このプログラムでは、参加メンバーが自分の思いや価値観をレゴブロックで表現し、それを伝え合うところから始まる。一人ひとりが“心”でとらえた感性を共有することを重視しているのだ。
そして、各人の思いを尊重しながら、目指すべき目標や組織のあるべき姿を皆で考えていく。

「ブロックなんか使わなくても、普通に話し合えばいいじゃないか」と思う人もいるかもしれない。しかし、ただ議論をさせると、声の大きな人、口の達者な人の意見に流されやすく、なかには、自分の意見を言うのをためらう人も出てくるだろう。

また、「私たちの仕事とは?」「理想のチームとは?」といった抽象的なテーマについて話し合おうとしても、頭の中でもやもやしている思いや考えをうまく表現できず、議論が深まりづらい。
レゴブロックを用いて自分の思いをいったん可視化したうえで、本人に説明してもらい、さらに、ファシリテータが「ここは何を表しているの?」「これには何か意味がある?」と引き出していくことで、うまく言葉にできなかった自分の頭の中を他者に理解してもらうことができる。

レゴブロックではなく、絵を描かせたり、粘土で作品を作らせたりする手法もあるが、「自分の思いを絵で表現してください」と言われても、戸惑う人が多いのではないだろうか。何も描けずに、固まってしまうかもしれない。
レゴブロックであれば、いろいろなパーツを手に取って重ねたり並べたりしているうちに、だんだんと自分の考えがまとまることが多い。ここで用いるレゴブロックは、世の中のさまざまなものが表現できるようにセットされているので、自分自身が意識していなかった思いに気づかせる効果が高い。

 

今回の依頼:「協力し合うチームを作りたい」

冒頭で紹介した株式会社Bodytune-Partners社は、従業員数名のビジネス研修会社。健康人財育成をテーマとした研修事業と、従来から行ってきたビジネススキル系の研修事業との2事業を展開している。

少人数の組織であり、社長は「メンバー間で協力し合う組織が理想」と言うが、実際は、社長の強いリーダーシップの下で成長してきたため、メンバー同士の連携が少ない。個々人が社長の指示で動き、何かあったらまた社長の指示を仰ぐという状態だった。

こうした組織風土を変えていきたいと、社長が「チームビルディング」を目的としたワークショップを依頼した。

 

業績向上につながるチームビルディングを

「協力し合う関係を築くことは大事。でも、それ自体は目的ではない。チームが進むべき方向や目的をしっかりと共有したい」――そう考えた大野(弊社代表)は、組織の業績を上げ、会社の目的を達成するためのチームビルディングを検討、レゴブロックを用いた数回にわたるワークショップを企画した。

ワークショップでは、一人ひとりの仕事の捉え方や考え方についてレゴブロックを使って表現する。出来上がった作品を通じて、それぞれの思い・考えの深い部分を引き出しながら、「わが社の現状」を洗い出していく。

 

気づかなかった仲間の思いにショック!

お題の抽象度が高いこともあり、各人の作る作品の内容や方向性はさまざまだ。
たとえば「私の仕事とは?」と聞かれても、目の前の業務のことなのか、チームの中の役割のことなのか、顧客に提供する価値なのか、いろいろなとらえ方ができる。一人ひとりの価値観や問題意識によって、アプローチの仕方に差が出るだろう。多様な視点や考え方に触れることで刺激を受けるので、時間内に終わらないほど議論が盛り上がる。

「私の仕事」というお題に対し、社長は複数の動物を作った。動物たちはすべて外を向いている。
「ぼくは顧客を開拓してくることが仕事だから、狩りに行くイメージ。相手によってアプローチを変える必要があるので、虎もいれば亀もいる」
こう説明する社長に対して、ある社員からこんな声が挙がった。
「この中で、 ぼくたちはどこにいますか?」
この発言をきっかけに、「社長のやりたいことっこういうことですか?」「社長の目指しているのは……」と、メンバーから次々に質問が飛んだ。

「トップの思いや方向性を共有している企業は多いと思います。Bodytune-Partners社も日々の業務を通じ、仕事の進め方やビジネスの展開を共有していました。社長の考えていることを理解し、会社の未来を切り開いていこうという意欲的な社員ばかりです。それでも、社員は社長が何をしようとしているかを確認したいし、自分たちが社長の目にどう映っているか気になっていることが明らかでした。

日常の忙しさの中で、分かったつもりになっていたことや聞きそびれていたことを改め問い直す機会はなかなかありません。ですから、“なんとなく”という感覚で仕事を進めている内に、惰性で事が動いていく危うさを感じ取るセンサーが大切です。普段の会議では、こうした率直な質問や疑問をトップにぶつけることは難しいと思います。ところが、レゴブロックを活用し、社外のファシテーターが関わることで、日常のしがらみを取り払い、社員一人ひとりの思いや疑問を引き出すことができます。」(大野)

 

自分たちが目指すべき方向を確認する

これらのお題は、相互に関連するように設計されている。たとえば、「理想の顧客とは?」と「自分たちは、顧客からどう見られているか?」を表現してもらう。

「ブロックを組み立て、皆で話し合うなかで、自然と理想と現実のギャップに気がつきます。自分たちが目指していることが何か、これまでの目標としてきたことが正しいのか、修正するとしたらどうすればよいのか…。自分たち自身で問い直すようになります。」(大野)


自分たちの理想の顧客を検討するうちに、自社においてあるべきチームワークとはどういう状態か、そのために乗り越えるべき課題は何かが浮かび上がってくる。メンバー1人ひとりの思いを組み合わせて、チームとしての方向性を見出していく。チーム全員で目指す方向に向けて、やるべきことを明確化させてこのプログラムは終了した。

企業へのメッセージ

「レゴ®シリアスプレイ®は、MITやシカゴ大で研究された教育、心理学の理論をもとに一つのメソッドとして完成されたものです。ですから、ただ闇雲にブロックを組み立てても、その本質には迫れません。ワークショップを提供するための知識や技術をしっかりと学んだレゴ®シリアスプレイ®トレーニング終了認定ファシリテーターを活用し、このメソッドを体験していただくことをお勧めします。」(大野)

 

 

取材協力企業

企業名 株式会社ボディチューン・パートナーズ
事業内容 健康人財育成をテーマとした研修事業、ビジネススキル系の研修事業
ホームページ http://kenkoukeiei.com/
お問合せ先 TEL:03-5770-7615 
contact@kenkoukeiei.com