コラム

企業の人材採用における選考のポイント

採用選考を進める上で、「応募者を選ぶ」ことに夢中になり過ぎないことが大切です。この会社で働きたいと思える選考場面を作り出しましょう。

選考プロセスを決めるポイントは、「求める人材像を採用するための基準を作成する」「基準を測定する方法を決定する」です。

採用選考では、面接官の好みや志向によって基準が変わる可能性があります。組織として人材採用のあり方を模索するとともに、人材を見極めるスキルを養うことが重要です。

人材採用はあなたの企業を発展させる原動力です。適切な人材を採用するように心掛けましょう。

人材採用に必要な心構え

今回のコラムでは、人材採用を行う上でどのように選考を進めていくかを検討していきます。ぜひ、前回までの「採用ミスマッチを防ぐ、求める人材像の作り方」「人材採用 質の高い母集団を形成する」も参考にご一読ください。

まず、採用選考を進める上で、外していけないことは「応募者の能力を見極めるプロセス」ということです。そして、その過程は“応募者からの共感を得えられる”ものにしましょう。

企業は採用プロセスを通じ、「求める人物像」に合致しているかを確認していきます。その際に、企業は「応募者を選ぶ」ことに集中し過ぎてしまうことがあります。

メンタル不全が社会問題となり始め、ストレスに強い人材を企業が求めるようになりました。その頃から流行し出したのが、「圧迫面接」です。面接官が威圧的な態度で接し、過度の緊張状態を乗り切ることができるのかを見極めるという手法です。

この手法の有効性は検証が必要だと思いますが、この面接を受けた応募者は、企業に対してどのような印象を持つでしょうか。

応募者はあなたの会社に何らかの興味・関心を持ち、エントリーしています。あなたの会社の商品やサービスを利用しているかもしれません。将来、自社と取り引きをする可能性もあります。また、別の採用案件で応募してほしい人材かもしれません。そのような人材に対し、不快感や不信感を与える方法で人材を見極めようとするのは、企業として最適とは言い難いでしょう。

応募者は自分の能力を発揮したい、認めてほしいと思っています。その力を的確に評価できる方法を活用し、応募者から「受けてよかった」と評判を得られるような採用活動を心掛けてください。

選考プロセスを決めるポイント

では、具体的な選考プロセスを構築するために、どのような点に気をつければよいのか考えてみましょう。

1)採用するための基準を作成する

求める人材像を評価できるようにしていきます。ここでは、前回のコラムで取り上げたソフトバンクを例に考えてみましょう。求める人材像は、「チャレンジ精神にあふれる人材」でした。こうした人材は職場でどのような力を発揮していることが望ましいか検討し、以下のように評価する力を明らかにしていきます。

・スピード力:目標や課題を達成するために、迅速に対応する力
・チャレンジ精神:困難な状況に遭遇しても、自ら進んで立ち向かっていく力
・洞察力:世の中の流れ(政治動向、社会動向など)を広く、早く、捉える力

このように具体的な力を設定することにより、「チャレンジ精神にあふれる」というのは、世の中の流れを把握した上で、目標や課題を達成するために、迅速かつ果敢に立ち向かっていける人を総称していることが明確になります。

2)1)で作成した基準を測定する方法を決定する
どのような能力を見るべきか導き出したら、次にどのようにその力を見極めるかを検討しましょう。面接で確認した方がよい力とそれ以外(筆記試験・適性検査など)の方法を活用した方が見やすい力があります。

また、面接でも1次面接で確認する項目、2次面接で確認する項目を設定すると応募者の能力をより深く理解することができるようになります。応募者のことがよく分かると、配属先の想定や入社後の活躍も想定しやすくなるでしょう。

面接は誰が担当するかによって選考ポイントが違う

面接は通常、担当者を変えて複数回にわたって行われます。そのため、誰が担当しているかによって重視する能力が大きく異なります。

現場担当者や管理職は、実際に採用した相手と共に働く可能性が高いため、面接において「一緒に働きやすいかどうか」を重視しがちです。また、専門性の高い職種では、応募者が持っている技術力・知識に関心を抱き、仕事を遂行できるかを確認しないということもよくあります。

面接官ごとに着眼の差が生じることはある程度は仕方がないことですが、個々の面接官の力量に依存していると組織としての人材活用に結びつきにくくなります。採用選考の醍醐味は、組織全体として、採用すべき人物かを体系立てて見極めることです。

ですから、人材採用は経営層を含め、関係者が「求める人材像」に関して一致した見解を持つことが必要です。採用を担当することになったあなたは、経営層に協力を仰ぎ、各選考ステージで確認する事項、見極める力など人材採用の全体に対する理解を得ることが必要です。また、面接官に人材を見極めるための技術を持たせることも大きな役割となります。

あなたの企業で最大限の能力を発揮し、あなたの企業を次のステージへと導いてくれる人材を採用してください。