第76号:【必見!】圧倒的に人選ミスを減らす方法

 会社の中を見渡した時、なぜ、この人がこのポストにいるのか?と疑問を抱くことはありませんか。外部の目線から違和感を覚える人員配置、内部からはどのように観られているのだろうか、そして、本人たちはどのような心持で役割を担っているのかが気になっています。

 社内評価というのは、当たり外れがあるのは周知の通りです。規模の大小に関わらず、好き嫌い人事、派閥人事など、どこの会社でも起きうることです。どれだけ完璧な制度を作り上げたとしても、そこに、絶対的な解がないのがこの領域の特徴だと痛感しています。こうした特性があることを理解した上で、人を評価することの意味や目的を改めて考えることが重要です。

 人を評価するということは、事業を成長させることができるか否かを見極めることに尽きます。これほど簡単な理屈はないと思いますが、ここを忘れてああでもない、こうでもないと理屈をこねくり回しおかしな人事が繰り返されている企業は少なくありません。

 そもそもですが、ビジネスを発展させる、成長させることとはどのようなことを指しているかを明確にしていない会社が圧倒的多数です。ある経営者の方は、「言われたことを忠実にできればいい」と言います。これが本音かもしれないですが、その裏には、指示の意味や背景を汲み取ることができる、言ったことを理解できるなど様々な前提条件があります。

 基礎中の基礎ですが、経営者が実現したい未来を手に入れるために、どんな知識、スキル、能力を持った人材が必要かを的確に見極めていくことが重要です。そして、ここでもう一つ議論の視点に入れるべきことは、人は育つのか、育てるのかという視点です。

 職位が人を育てるという発想は昔からあります。ですから、少しストレッチな役割かもしれないけれど、この人なら大丈夫だろうと期待値のみでポストをつけていることがあります。職位により人が成長するという考え方には賛同しますが、楽観的な予測は多大な損失を生み出しかねない問題となることもあります。

 特に、組織的な要請による抜擢など、実務経験や実績が軽視されてしまいがちな場合は、職位を与えることで成長できる人材かを検証することが大切なのではないかと考えています。事態を切り開いていくことができる、問題解決能力が高い、人を巻き込んでいくことができるなど、検証するための基軸はあるはずです。

 つまり、想定している役職で発揮してほしいことに対する裏付けがない時に、往々にして「なぜ、この人がこの仕事をしているのか」と周囲からいぶかしく思われてしまうのではないでしょうか。これは、人を送り込む側の希望的な観測によって引き起こされている可能性が高いと考えています。

 この人にはポテンシャルがあるという言葉をよく耳にします。人を好意的に評価する際に、発せられる一言だと思いますが、その意味は「可能性」「将来性」「潜在能力」と実に多様な解釈ができる魔の言葉だと認識しています。

 これ以上語ると単なる屁理屈だと言われかねないですが、可能性や将来性とは何を根拠にそれ持ち出してきているのか、潜在能力はどこで発揮されるのか(考慮に入れるべきか)が分からなければ、組織として人材を登用して際の確実さを高めていくことができないということです。

 これは、人事(人選)の再現性が低いということです。組織運営に欠かせない人材という資源ですが、その評価に関していかに効果的で恣意性を低くしていくかが、組織の発展につながっていくのではないでしょうか。

 あなたの会社は、人選に自信はありますか?